残酷な紙じゃなくて神が支配する 読了2009/02/19 01:26

印刷においてはね・・・紙は大事だね・・・仕上がりを左右するのは紙だと言っていいね・・・
手触りとか風合いだけで紙を選ぶんなら、刷り上がりの色に細かい事言わないことだね・・・写真や色数豊富な画像を正確に刷りたいんなら印刷性能だけで紙を選ぶとあとでイイコトあるよ・・・きれいなまま印刷物をキープしたいなら中性紙がいいというウワサ・・・蛍光色はあっちゅうまに退色するから注意な・・・

とかうんちくはともかく
やっと読んださ!

萩尾望都のマンガはキャラがすごい熱っぽい。みんなようしゃべるしよう動く。動作が立体的。
日本人の話より西洋人の話のほうがなんかしっくりくるのはこのせいか。アニメにするんなら洋画吹き替えに強い人を声優にしてほしいとか思うくらい。全体的にシアトリカルで読んでておもろい。
話はまさにミステリーで途中まで誰がうそついてんのかよくわからない。3人分くらいの証言がそろってやっと事実が明らかになる。でもその事実は嘘をついた人の中では嘘のまま。
スルー能力全員ものすご高いw

ジェルミ
早くに父を無くし、不安定になった母親と依存気味、疑似恋人のような関係。母の結婚生活を安泰なものにしようと義理父に性的関係を強要されて引き受ける。取引としての性的関係が始めての体験。
全然逃げない。この年代なら逃げ場がなくて当たり前か。
義父との関係に疲れ果てて義父の車に細工をし、事故死を狙う。義父はまんまと死ぬが突発的に車に乗り込んだ母も事故死してしまう。車は事故後欠陥車として全車回収、彼は法的に罰せられる機会を失う。
何かとやらかせば罰だ罰だと義父に鞭打ちSMを強要されていた癖がついた?のか、何かあると体を売ったり薬をやったりしてしまう。
自分を罰するはずだった母に死なれ、その母が自分と義父の関係を知っていたことから怒りの行き場を無くしてしまう。
生まれ故郷のボストンのスラムで体を売っているところを義兄イアンに無理矢理連れ戻される。ジェルミにとって体を売るというのは自分に与える罰なんだろう。
戻ったイギリスでいろ〜んな人と出会い、どっちかというと超体育会系イアンに引っ張り回され、見ていてとても気の毒。
ぼろぼろなのに自転車旅行とか自分なら行かないなー。

イアン
グレッグ息子、ジェルミ義兄。漢字で書きたい鬱陶しい。いいやつだけど感情的。とてもめんどう。無自覚に自分の正義を押し付けるところはある意味お父さんにそっくり。色男、エエオトコ、勉強スポーツなんでもござれすぎて寂しさを知らない。
自分が父だったらリリヤを許すとあるが、そら自分も結構な放蕩息子なせいだろう。ま、いい経験だったつうことなのかしら。
グレッグはイアンのことは全く虐待していなかった。たぶんイアンがリリヤが昔の婚約者と浮気してるのを知っていたから。じゃないかな。

グレッグ
できる人だがサディスト。理想に燃えすぎる潔癖な人。ようするに大変なやりすぎ。
教科書通りのDVさん。ぶちまくったあとで手当とかしてる。ムチが無いとアメが出ない。
サンドラが小梨だったら再婚したかどーかが知りたい。
ジェルミがいなかったらSMプレイお金出してやってたんじゃないのかね。

サンドラ
ジェルミ実母。弱い女。ややメンヘラ。ボーダー系。
相手によってコロっと態度が変わったり言う事ばらばらなのはこのマンガのキャラクターでかなりたくさんの人がそーなので、あんまり何も思わない。ちょっと夢みた。
ジェルミが虐待を受けているのを勘づいていながら、黙っていた。そのゆがみを引き受けるかごとく、周囲の人につらく当たったり被害妄想的になったり心臓弱ったり流産したり睡眠薬のみまくったり最後は車の事故で焼け死ぬ。
なんつか、グレッグが適度にハズした人だったらサンドラもゆるーい感じでいけたんじゃないかと思ったりなんだり。グレッグのせいにするのも変か、逆でもいいのかも。

リリヤ
イアン、マット実母。故人。かつての婚約者との浮気がばれてグレッグにおいつめられ、首を吊って死ぬ。
この死に関して最初いろんな都合のいいコトをいろんな人が言うので結構混乱する。グレッグは遊び好きな派手な女だったと言い、ナターシャは聖女のようだったと言う。
たぶんどっちもだいたい本当。

ナターシャ
リリヤ姉
リリヤ亡き後イアン、マットの世話をする。グレッグと恋愛関係にあった時期もあればムチ打たれてた時期も。
リリヤの後を追ってマットやイアンの世話をしているのでジェルミの虐待を看過する。ま、こりゃ当たり前かなーと思ったりもする。
リリヤを閉じ込めたのは自分のせいだとも思っているようだし。ストレスで女性的な機能を失う。
自分に顔が似ており、グレッグから息子扱いされず不安定なマットを殊更可愛がる。
グレッグがナターシャを打ったのはなぜだろう。リリヤの浮気を黙っていたから?姉と恋愛関係に落ちる自分が許せなかったから?

マット
イアン弟。グレッグ、リリヤの子供。繊細だが案外まとも。ちょいオタっぽいが、自然ライフもお似合い。ワンコが好きだもんそりゃイイコに決まっとる(偏見)。

キャス
いわゆる崩壊家庭で育ち、学費も自分の体売って稼ぐたくましい子。暖かい下町人情系。ボストンのスラムに出て来るオカマ?のダンサーとか彼とか、性的にいろいろな人はなんかあったかい。怖いのは不良マッチョ。
彼をタテにイギリスに帰りたがらないジェルミを納得させるためイアンが上質な更生施設につっこむw
崩壊家庭なりに姉も奔走しており、暖かい再会を果たす。
おまえが元気してるか心配だよ私は。

マージョリー
母クレアの過保護が原因で死ぬ死ぬ詐欺。たまにほんとに死にかける。
感性はするどく冷静。全国にあふれるリスカ少女を代弁するがごとく、耐えられない状況になるとカミソリでいろんなもんを切る。虐待もそうだけど、こういう逸脱行為って不全感の代弁なのかね。

ナディア
マージョリー姉。能天気。美人で優雅。
ありがちな困った人。ジェルミの更正に協力するワと言っといてジェルミを恋敵だと信じてしまうとジェルミをなんとかしよーとやっきになる。ジェルミにイアンと別れろと泣いて懇願したり、イアンに私だけを見て貴方は運命の人なのとのろってみたり、イアンの気を引くためいろんな相手を作ったりする。でも外面はばつぐんなので、誰も彼女のイアンに対するしぶとさには案外気がつかない。で、いろんな相手の中の一人が本気になってしまい、結婚。
いいのか、おまえそれで。

クレア
ナディア、マージョリーの実母。ダンサー。インストラクターの彼といい間柄。夫とは別居。虐待された経験がありそのトラウマがマージョリーに向かう。しかしトラウマが明らかなものとなった後もマージョリー一辺倒。

ロレンツォ
クレアのいいひと。ってかこのひといくないですか?イタリア人のおおらかさのせい?
ジェルミにあそぼー言われても体調悪そうだからやめてみたり、基本正直で行動は機敏、しかもカンがいい。バイセクシュアル。いいやつだ!おまえいいやつだぞ!!!なんなんだ、唯一の南欧系キャラはこういう感じにしてあるの?ゴッドファーザーかもしれないw

リンドン
人生経験が豊富すぎて何でもわかる人。ヌコ好き。
じつぞんしゅぎとか、そんな?

エリックとバレンタイン
エリックは発達障害カテの人のよう。言葉の困難、想像力のかたより、コミュニケーションの困難さ。
愛じゃなくて執着。
バレンタインじゃなきゃ嫁でも子供つくっちゃうし、興味が向けばなんでもいいんだって。
愛ってなに?をテーマに据えるとしたら、彼がキーになりそう。
バレンタインに子供が出来たのは愛じゃないでしょ。
ただバレンタインには、それが愛だと思えなければ耐えられないかもしれないけど。

あー、書いた書いた。